お三味線やお琴などの和楽器製品全般を取り扱う製造卸問屋【東亜楽器株式会社】

東亜楽器株式会社

社長のお部屋

ごあいさつ

敬愛する ニューイングランド 音楽院、ランブレイク教授と共に 左: 増田 靖 (ニューヨークにて、2014年6月)
敬愛する ニューイングランド 音楽院、ランブレイク教授と共に 左: 増田 靖 (ニューヨークにて、2014年6月)

東亜楽器は伝統的な工具だけを使って三味線を制作する『工場制手工業』メーカーとして出発しました。

その後も、ほとんど機械化せず分業化も極力抑え熟練した職人の技を頼りにやってきました。

国内では機械の導入による量産・効率化・低価格化が進められた時代
かわりに海外で職人を養成する道を選びました。

日本の職人も大事にしつつ、彼らの協力を得ての事です。

手作業にこだわり続けた事を時代遅れと笑われ
いくら説明しても「どうせ機械で作っているんだろう」と信じてもらえなかった事が、ほとんどでした。

しかし今、そういう逆風が少しずつ順風に変わりつつあるのを感じます。熟練した職人を多く抱えている事は大変な強みとなります。

分業化した仕事、同じ作業を繰り返すだけの工員と違い、どんな場面・材料にも柔軟に対応でき、蓄積した経験から様々なアイデアも出てきます。

三味線に琴(箏)といった決まった楽器ばかりでなく、沖縄の三線から日本各種の琵琶・アジアンバイオリン・サントゥール・二胡まで。
木製の譜面台もあらゆるタイプの物を作りだしています。(琴部門では今、中国箏の日本式製法による高級モデルも受注生産しています。

確かに、手作りには欠点も多いのは事実です。未熟な職人の作ったものは、機械作りに精度の点では全く勝てません。
又、不揃いの商品を扱う事を嫌う道理(理由)も、よく理解できます。

しかし、一人前の職人になるには、それなりの長い修行期間が必要です。
その間の仕事や生活を互いに支えあう忍耐や理解を、昔は問屋も、そして演奏家の方々も持ち合わせていたのだと思います。

初めから一定精度のコピーを量産する機械に旗を上げてしまえば、職人は育ちません。
職人がいなくなれば、新しい物を創り出す 基礎的な工夫能力も失われてしまいます。

それから手作りの欠点とされる、個人差・バラつき。工業製品には本来あってはならないものです。

しかし、これも見方・受け取り方ひとつで変わります。

特に曲線の多い三味線では、職人の好み・癖によって、また工具の使い方によって、姿・形は三者三様です。
でも それだからこそ愉しい、心が動くのではないでしょうか。

工業製品に求める ”精度” 画一均一さを、楽器に求める事の方が、どこか奇異な事に気づいてもらいたいものです。

楽器は自分だけの秘かな愉しみとしての一品であって欲しいものです。

愛着・執着の由来__…
それはどこか、息子の幼い時に作った粘土細工、娘の小学生のとき賞を取った水彩画に似て、身近に置いて いつも暖かみを放つ存在です。

職人の手道具を使う 身体の動きが伝わってきてウキウキするような、追体験の喜び。
この親密な関係こそが”愛着”となります。

大量生産の、どれも瓜二つのコピー商品はやがてゴミになるだけですが、自分だけの一品は時を経ても、ますます価値を増す事でしょう。

社長のコラム

お三味線・お琴の原材料が危ない!

三味線の材料(犬皮)が危ない!